薪の灰は草木灰と同じく窒素0%、りん酸1〜2%、カリウム5〜11%ほど含んでいます。 大きく違う点は草木灰はカルシウムを1〜2%程度含むのに対して、薪の灰は約15〜30%含むというとです。 昔はカリ肥料の主原料となっていたそうで、英語でカリを意味ずる(potash)は木を焼いた灰をポットにいれて水で抽出し、濃縮して作ったことに由来するそうです。 主成分はカリウムとカルシウムの炭酸塩で、りん酸塩やケイ酸塩も含みます。カリウムのほとんどが水溶性なので土と混ぜると比較的植物に早く吸収されます。 しかし高温で焼かれた灰は白ぽくなりカリウムが若干少なくなりますので、やや炭が残る程度の低温で焼いた灰のほうがよいようです。 実際の施用にあたっては、灰が白いものほどアルカリ性が強くなります。そこで石灰と同じように使用する方法が良いでしょうが、 アルカリ矯正力は石灰より弱いですので、「坪あたり何gいれれば石灰の代用になる」とは一概にいえません。あくまで補助的にまくのがいいようです。 ただし消石灰や苦土石灰を大量にまくと土が固くなりますが、草木灰や薪の灰は土が固くなりにくい特徴があります。(@@;)なるほど! このほか注意点として硫安や化成肥料、配合肥料などと同時にまくと、肥料成分のアンモニアが化学反応を起こしアンモニアガスが発生します。 一般的にハウスなどではガスが溜まりやすいので被害が大きくなりますが、畑など露地では多量でないかぎりあまり問題になりません。 しかし植物の根や葉をいためてしまう恐れがありますので、同時まきは避けたほうが無難です。具体的には、 @種まきまたは苗の定植2週間前にまいて土と良く混ぜる。 Aそのご1週間くらいたったら、肥料を散布してよく混ぜうねをつくる。 B1週間後に種まきまたは苗の定植を行う。 というふうにするといいでしょう。 また堆肥類や有機物のなかでも、「家畜糞」は反応しやすいのでこれも同時施用しない方がいいようです。 これは消石灰や苦土石灰も同じことがいえますので、同時にまくのはダメです。 使い方としての一例ですが、油粕と混合して施用すると良いです。油粕と薪の灰(草木灰)がお互い足りない成分をおぎなって肥効が高まるといわれています。 有機栽培にこだわりたい人には基肥や追肥にも使えますので重宝しますよ。 リンゴ:アルプス乙女接木苗4〜5号ポット ミニリンゴでは一番人気のアルプス乙女。長円形の実は1個25〜30gと小型ですが、糖度が15度とさわやかな甘味でおいしい品種です。 豊産性で、真赤な実が鈴なりになったところは観賞価値も高く、食用としてだけでなく、庭木や鉢植えにもおすすめ。 この品種はリンゴには珍しく自家結実性がありますので、1本で栽培できます。異品種を組み合わせるとより豊産となりますが、「ふじ」以外の品種を組み合わせてください。 タイプ:バラ科サクラ属の耐寒性落葉樹 植え付け最適期:10月半ば〜3月末 (鉢植えの苗は真夏をのぞきほぼ年間を通して植え付け可能です) 栽培適地:比較的冷涼な地域。東北以北および中部地方の高冷地。適切な管理を行えば全国で栽培可能ですが、暖地では実に赤い色がつきにくくなります。 開花期:4月 収穫期:10月上旬〜10月下旬 樹高:2.5〜3m 用途:庭植え、鉢植え(鉢植えの場合は7号鉢以上) 日照:日向むき 栽培方法: 日当たりと排水のよい場所に植えます。夏の暑さに弱いので、西日のあたる場所は避けてください。植え穴を大きく掘り、堆肥10kgを土とよく混ぜて入れます。 接木の部分を地上に出して植え付けてください。苗木には丈夫な支柱を深く埋めて立てます。肥料は5月下旬、7月下旬と12月に有機肥料を中心に根元に施します。 日当たりと排水のよい場所に植えます。夏の暑さに弱いので、なるべく西日のあたる場所は避けてください。植え穴を大きく掘り、堆肥を土とよく混ぜて入れます。 接木の部分を地上に出して植え付けてください。苗木には丈夫な支柱を深く埋めて立てます。肥料は5月下旬、7月下旬と12月に有機肥料を中心に根元に施します。 りんごは病虫害に弱いので、栽培ガイドなどの薬剤散布暦に従って防除してください。病気はウドンコ病、落葉病に注意。 害虫はアブラムシやハマキムシが発生することがありますので、薬剤等で防除してください。病気は雨にあたった後に発生しやすいので、 鉢植えで育てる場合は雨にあてないようにすると防ぐことができます。 さくらんぼ栽培の流れ・育て方に関する質問 【Q1】 さくらんぼの1年はどのようなものですか。 【A1】 さくらんぼの1年は次のようになります。 ア.冬の終わり、雪がまだ消え残っているころ    のびすぎた枝や、こみいっている枝を取り除く枝きり作業「剪定(せんてい)」を行います。    この枝きり作業が、その年のさくらんぼ作りの始まりです。 イ.花の咲くころ    4月下旬から5月上旬にさくらんぼの花が満開になります。    さくらんぼの花が満開になると、農家の人はミツバチやマメコバチのハチの巣箱をさくらんぼ畑に    数多くおきます。これは“交配”といって、花の真ん中にあるめしべの先に実を結ばせるため    に、自分と違う品種の花の花粉をつける仕事をハチにしてもらうためです。ハチは、さくらんぼの    花からミツを集めて飛び回り、ミツをもらうかわりに他のさくらんぼの花から花粉を運んで実を結    ばせます。このころの天候がさくらんぼの生育に大きく影響するので、農家の人は心配します。    晴れて暖かく風もないときは、ハチは喜んで花から花へと飛び回りますが、寒かったり雨が降ると    ハチは飛びませんから、農家の人はハチにかわって毛バタキ(水鳥などの羽毛で作ったものがよい)    で花粉をつけなければならないので、とても忙しくなります。また、畑の草をかったりさくらんぼ    が病気にならないように、消毒もします。 ウ.青い実がなるころ(幼果(ようか)といいます)    花が散り、やがてさくらんぼの枝には青い実がたくさんつきます。中には花粉がうまくつかないも    のも多くあり、大きくなる前に地面に落ちるものも多いです。 エ.色づき始めるころ    さくらんぼの実がだんだんと大きくなって色づき始めると、小鳥たちはおいしくなったさくらんぼを    食べにきます。この鳥のほとんどはムクドリです。(こちらではギャラ・ガリなどと呼んでいます。)    農家の人たちは大事に育てたさくらんぼが鳥たちに食べられないように     ○“あみ”をはる。     ○おばけふうせん(目玉のような絵がかいてあるふうせん)をつる。     ○鳥がこわがるハヤブサ(もうきん類)の模型を枝に高くつり下げる。     ○ガス鉄砲(ばくおんき)を鳴らしておどろかす。    などの工夫をしています。    また、おいしいさくらんぼになるように日光を充分あて、光がはねかえり木の下からも日が当たる    ように銀色のシートをしきます。    大きくなって色づき始めるとき、雨がさくらんぼの実にあたると雨にぬれた実は割れてパンクします。   (れっかするといいます。)その原因は、さくらんぼの実には目に見えない小さな穴がたくさんあり、    そこから水が入りこみふくらんでパンクしてしまうのです。    農家の人たちは、れっかを防ぐため、木の上にビニールの屋根をつくります。(雨よけテント)    このころは、6月の梅雨の季節で、まもなくさくらんぼのもぎとりがはじまりますので、天気予報や    雲の流れを見ながら、雨に注意します。 オ.もぎとりのころ    年によって少しちがいますが、早いものは6月始めころから遅いものは6月いっぱいかかり、    7月に入ることもあります。さくらんぼは他の果物と違い、花が咲いてからもぎとりまでは    40日から45日ぐらいで、1本の木にたくさんの花が咲き、10,000〜13,000個    ぐらいの実がつきます。もぎとりの期間も短いので、もぎとり・選果・箱詰・出荷におおわらわです。    収穫は、年に1回です。もぎとりは、一つ一つていねいにしますのでとても時間がかかり、農家の    人たちは休むひまもなく一生けんめい収穫します。自分の家族だけでは人手が足りないので、    よその人々の手も借ります。選果は、大きさや色づきを見て、一つ一つ選び、時には夜遅くまで    箱づめをします。もぎとりが始まると、遠くは広島県、大阪・神奈川・東京・新潟・福島・岩手    などから、多くの人々がマイクロバス・大型バス・乗用車でさくらんぼのもぎとりに訪れ、    たいへんにぎやかになります。 カ.もぎとりが終わったころ    もぎとりが終わっても、寒河江市のような東北地方ではまだ梅雨があけないので雨が多く、木の葉が    病気や害虫の被害をうけるので、消毒したり畑の草刈りをしながら守ります。    やがて梅雨が明け暑い夏がくると、さくらんぼの葉は濃い緑色になり、来年のために花芽(はなめ)    の準備をします。 キ.紅葉のころ    山の木々が色づくころ、さくらんぼの木たちも黄色に色づき、11月に入るとバラバラと落ち    始めます。葉っぱが落ちた後の木の枝には、次の年の花芽(はなめ)がしっかりついているのが    わかります。 ク.雪の降るころ    雪が多くふると、さくらんぼの木にも重い雪がつもり、その重みで木の枝がおれたりするので、    その雪を取りのぞきます。 〜このように、農家の人たちは1年に1度のもぎとりですが、年間を通して常に木を守っているのです〜 【Q2】 さくらんぼの取り入れはいつごろですか。 【A2】 種類によってちがいます。次のようになっています。       セ ネ カ       5月下旬 〜 6月上旬       ジャボレー       6月上旬       高砂(たかさご)    6月10日頃 〜 6月中旬       佐藤錦(さとうにしき) 6月中旬 〜 6月下旬       南陽(なんよう)    6月下旬 〜 7月上旬       ナポレオン       6月下旬 〜 7月上旬 【Q3】 さくらんぼの作り方はどのようにするのですか。 【A3】 ○気候は、   ア 春から夏の始めまでは、あたたかく雨の少ないところがよい。   イ 4月から5月の間、晩霜(おそじも)の少ないところがよい。   ウ 花の咲くころ、強い風の少ないところがよい。   エ 秋から冬にかけて、ある程度寒いところがよい。 ○畑の土   さくらんぼの木の根は大変浅いので、水はけがよく空気のとおりのよい土が   望ましく地下水の高い粘土質の土は好ましくありません。   なんといっても、水はけのよい栄養を多くもつ畑の土がよいのです。 ○苗木の植え方   植える場所は、平地でも山地でも大地でもよいのです。4〜5m間隔に植え、   木が少し大きくなれば間引きをします。4年目ごろから花が咲き実をつけま   すが、一人前(成木)にまるまでは10年間もかかります。 ○枝きり(剪定(せんてい)といいます)   のびすぎた枝・こみあった枝などは枝切りをして取り除き、太陽の光が枝や   葉によく当たるようにします。時期は2〜3月と7月に行います。 ○肥 料   寒い地方では、10月初旬にやります。 ○消 毒   さくらんぼの木や葉・実などが病気や害虫によって被害を受けないよう、   農薬で10回ぐらい消毒をします。 ○実のとまりをよくする   花が咲いたとき自分とちがう品種の花の花粉をめしべにつけて、実のとまりを   よくします。毛バタキを使って人の手で花粉つけもしますが、ミツバチやマメ   コバチなどハチの仲間を利用してつけます。  (このような昆虫をほうか昆虫といいます。)   ハチの巣箱を花の咲く前に畑に運び飛ばしますが、寒い日や雨の日が続くと   昆虫は飛びませんから人の手でやります。ミツバチやマメコバチはわたしたちの   ために働いてくれるので、大事に守ってあげます。 ○雨から守る   さくらんぼが雨でパンクするのを防ぐため、木の上に鉄パイプで屋根を作り、   ビニールでおおい雨を防ぎます。(雨よけテントといいます。) ○小鳥から守る   さくらんぼが色づくと小鳥たちが好んで食べるので、おばけ風船やハヤブサの   模型を木につるしたり、ガス鉄砲で大きな音をだして小鳥たちをおどかして   さくらんぼを守ります。 ○もぎ取りをします   さくらんぼは短い期間でもぎとり、選果、箱詰めをして出荷します。 【Q4】 さくらんぼを育てるうえでの「コツ」は何ですか? 【A4】 同じ品種(佐藤錦)だけでは果実がつかないので、他の品種(ナポレオン)を混植する ことなどが大切です。例えば、佐藤錦7割に対してナポレオン3割を植栽すること等です。 主な品種の交配和合性は次の通りです。 ♀/♂ 佐藤錦 ナポレオン 紅秀峰 紅さやか 高 砂 南 陽 佐藤錦 × ○ ○ ○ ○ × ナポレオン ○ × ○ ○ ○ ○ 紅秀峰 ○ ○ ― ○ ○ △ 紅さやか ○ ○ ○ ― × ― 高 砂 ○ ○ ○ × × ― 南 陽 × ○ ― ○ ○ ― ○和合性 △要検討 ×不和合性 品種名 収穫時期 紅さやか 6月上旬 高 砂 6月中旬 佐藤錦 6月中旬〜下旬 紅秀峰 6月下旬〜7月上旬 ナポレオン 6月下旬〜7月上旬 また、さくらんぼの収穫時期は短期間に多くの労働時間を必要とすることから、 少しでも収穫時期を長くし労働時間の分散を図るため、品種構成を考慮して植栽 したり、加温ハウス(収穫を前進化するため、パイプハウス内で暖房機を利用し 栽培する方法)を導入したりする農家も増えております。 【Q5】 昨年小さい実のなったさくらんぼの木を買い、庭に植え替えて実を収穫しました。 ところが今年は実どころか花も咲かず、葉だけが去年の3倍くらいしげっています。 何が悪いのでしょうか?教えてください。  《京都府・中川さんより》 【A5】 花が咲かずに葉だけが3倍くらい繁っているのは、花芽分化せずに栄養成長が進んでしまった ためと考えられます。肥料のやり過ぎが原因としてあげられますが、枝も長く伸びてはいませんか? 対策としては、当分肥料を与えるのを見合わせてみて下さい。 【Q6】 おっしゃるとおり枝もかなり伸びています。まだ背丈は1.3mくらいですが。 肥料のやりすぎとのことですが、今年は無理でも来年以降は花がつくのでしょうか? 肥料はどのくらいのタイミングで、量であげればよいのでしょうか。ちなみに昨年から今年の 初めにかけて化成肥料を2〜3回あげました。こちらで手に入る本などを読むと、さくらんぼは あまり暖かいところには向かないそうですね。また植え込みより鉢植えのほうが育てやすいとも 書いてありましたので昨日、鉢にもどしたところです。 こちらは京都の南部、奈良に近いところで盆地的な気候のため冬は結構冷え込みます。 もちろん雪はめったに降りませんが山形に近い気候と思います。ほかに気をつけたほうがよいこと などアドバイスいただければありがたいです。よろしくお願いいたします  《Q5のつづき》 【A6】 ・普通は生育旺盛な若木でも新梢基部の芽は花芽になり、少ないながら花は咲きます。  枝が落ち着けば、花芽がまとまって着生するようになります。 ・目標とする樹の勢いは、幹から横に発生した枝(結実させたい枝)先端の伸びが30cm以下です。  これ以上伸びているのなら樹勢を弱めるようにします。 ・春に枝を水平〜30度くらいの角度に引っ張って花芽の着生を促します。  枝を引っ張ると枝数が多くても、日当たりも確保でき、花芽着生には有利です。 ・窒素成分の入った肥料は、枝葉の伸長を促すので与えないようにします(油粕や鶏糞など)。  リン酸、石灰、苦土などの施用はかまいません。 ・冬季にはできるだけ枝を切らず(切ると枝の伸長が旺盛になる)、不要な枝は夏(6〜8月)に切る  ようにします。 ・さくらんぼは冬季間に一定の低温に遭遇する必要があります。品種により必要な低温量は異なりますが、  山形県の主力品種佐藤錦では、7.2℃以下で1600時間程度が必要とされています。  低温が不足すると芽の目覚めが悪く、発芽不良が発生します。 ・鉢栽培では根量が制限されるので、花芽の着生や、結実は有利になります。 ・結実には異品種の花粉が必要(一部に不要な品種もありますが)ですので、合わせて栽培するよう  にして下さい。 【Q7】 さくらんぼの苗木を買って、庭に植えています。自家受粉できる種類と書いてあったので、 1本だけ買いました。詳しい品種名は覚えていません。果樹苗を多量に扱っている、山形の メーカーから買いました。一昨年の冬(2001.11頃)に植えましたが、昨年も今年も葉だけで、 花芽が付きませんでした。なにか理由があるのでしょうか?接木です。 昨年水を遣り過ぎたためか、1m50cm程だった苗が、3m近くになっています。枝も随分伸び、 1年でとても大きくなりました。剪定はまだ行ったことがありません。 肥料も、この2月に、何をやればいいか分からず、とりあえず鶏糞をやりました。 肥料はどのような物をやればいいのでしょうか?お礼肥料は、実がならなくても必要ですか?  《岡山県・下條さんより》 【A7】 2001年秋植えということで、まだ2年しか経っておらず、本格的な花芽着生にはあと2〜4年かかる と思います。2年で枝が150cmくらい伸びているということですが、苗木のうちはこの位の生育量が 正常です。これから徐々に伸長量を減じ30cm以下にしていきます。 肥料は、窒素成分の入ったものは不用です。鶏糞、油粕などは与えないようにします。 リン酸を中心に、石灰、苦土などの施用はかまいません。 結実するまで、幹の先端はまっすぐ上に伸ばしますが、途中から出た枝は、水平〜30度くらいの角度に 引っ張って花芽の着生を促します。枝を引っ張ると枝数が多くても、日当たりを確保できます。 冬季にはできるだけ枝を切らず(切ると枝の伸長が旺盛になる)、不要な枝は夏(6月〜8月)に切るよう にします。自家結実性の品種は、山形では1本でも結実します。しかし、品種により冬季に一定時間の 低温に遭遇する必要があるものもありますので、岡山での可否はわかりません。 【Q8】 こんにちは。さくらんぼの木を庭に植えてみたのですが、さくらんぼの育て方について、 何か資料などががあったら教えていただけませんか。 【A8】 さくらんぼの育て方についての資料ということですが、農文協で出版している 「オウトウの作業便利帳」(1,630円)が簡単でわかりやすく書いてあります。 【Q9】 サクランボ(佐藤錦)を種から育ててみたいのですがいつどのように植えていいかわからず 教えていただきたいのですがよろしくお願い致します。苗からの育て方は調べられるのですが 種から書いてあるのはなくて探していました。  《宮城県・阿部さんより》 【A9】 一般的にさくらんぼは、一品種だけでは実がならないという性質をもっており、実をならせる ためには他の品種の花粉を交配しなければなりません。したがって、「佐藤錦」の実はすべて他の 品種の花粉がついてできたものですので、この種をまいて木を育てたとしても、「佐藤錦」と 同じものにはなりません(母親"めしべ"が「佐藤錦」、父親"花粉"が「他の品種」のかけあわせ のため、双方から半分ずつ遺伝子をもらっているため)。 このように「佐藤錦」は種から育てることはできません。「佐藤錦」の木をつくるためには、 サクラ属の台木(一般的にはアオバザクラ)に「佐藤錦」の枝を接ぎ木します。この接ぎ木に よってのみ、「佐藤錦」を増やすことができます。 なお、「佐藤錦」とは全く別の性質のさくらんぼになってしまいますが、さくらんぼを種から 育てる方法は以下の通りです。   @パット(食品トレイ)にガーゼもしくは脱脂綿を敷き十分に水を含ませます。   A種をきれいに洗い、クルミ割り機などで種の殻を割ります。中に入っている胚乳を取り出し、    @のガーゼの上に乗せます。   B芽がでてきたら、移植します。   C移植はセルトレーに育苗培土(いくびょうばいど)をつめたのもにします。葉が出てきて、    根が十分に発達したら畑に移します、セルトレーや育苗培土は園芸店で購入できます。 さくらんぼはなかなか芽が出にくいのですがトライしてみて下さい。 【Q10】 1.「生理落果」という言葉があるようですが、その意味が よく理解できません。   樹勢が旺盛とは、またその対処方法は? 2.私の場合、今まで肥料を与えたことはありません。また、毎年いっぱい咲く「花」が   付き過ぎているのか?その場合、一部花を取り去る必要があるのか? 3.花がいっぱい付く事は、今までの人口受粉が成功していて、生理落果が原因で落ちて   しまうのか? 以上、ご教示下さい。 【A10】 樹体の生理的条件が主な原因となって落果する場合、台風や病害虫によって起こる物理的落果 とは異なることから、これを生理的落下と呼んでいます。 生理的落果は着果過多の場合、樹体維持のための自然淘汰現象とみることができますが、樹勢 や環境条件のいかんによって必要以上に落果してしまうことがあります。 さくらんぼの生理的落果には不受精などによる早期落果、幼果の肥大期における養分競合に よる落果(ジューンドロップ)などがあります。山形ですと5月いっぱいは生理的落果があります。 「佐藤錦」で満開後17日頃で果実横径が10mmのものは落果しないと思われます。 また、樹勢については、新梢の伸び具合と葉の状態で大まかな判断ができます。さくらんぼには、 適正な樹の状態(形)があり、その診断方法は次の通りです。 (1)新梢による診断 ア.診断の時期  5月下旬(満開後25日)及び6月下旬(最終新梢長) イ.測定する新梢の選び方  @地表から1.5m前後の目通りの高さの新梢を20本程度測定する。  A斜立の強い枝や下がり枝は避け、平均的な側枝(水平〜上下45度)を選ぶ。 ウ.適正な新梢長  @満開後25日の新梢長 10〜12cm  A最終新梢長      20〜25cm(30cm以上では明らかに結実率が悪くなる) エ.適正な新梢発生本数  @目通り(最終新梢長 20〜25cm)の新梢発生本数 1〜2本  A樹冠上部(最終新梢長 20〜35cm)の新梢発生本数 1〜3本  B樹冠下部(最終新梢長 15〜20cm)の新梢発生本数 1本 (2)葉による診断 ア.診断の時期  5月下旬(満開後25日) イ.測定する葉の選び方  @地表から1.5m前後の目通りの高さの、平均的な側枝の葉を測定する。  A花束状短果枝の葉は、3年枝に着生したもので、中央の最も大きな葉を測定する。  B新梢の葉は、先端から5枚目のものを測定する。 ウ.適正な葉の大きさ  @花束状短果枝の葉 長さ:13cm程度、幅:5cm程度  A新梢の葉     長さ:14cm程度、幅:6cm程度 この基準よりも枝が伸びているようですと樹勢は強いと判断されます。 昨年の枝の伸びはどうでしたか。成木で新梢が50cmも伸びているようですと樹勢が強すぎて 結実も悪くなります。これは、樹の成長の方に養分が取られてしまうためで、いくら花が咲いて 着果したとしても、生理的落果しやすくなります。樹勢を抑えるためにはひもなどを用いて枝を 下の方に誘引したり、せん定量を少なくするなどの方法が考えられます。 施肥については、成木では7月の収穫後に窒素成分で10a当たり12kg、9月下旬に3kgの 施用を基準としていますが、樹勢が旺盛な場合は施肥そのものを控えます。 また、土壌中のホウ素が足りないと結実不良になるばかりか、果実にでこぼこが生じるホウ素欠乏病 になってしまいますので、FTEなどの微量要素を含む肥料を散布してください。 花が多く咲くということですが、特に花を取る必要はないと思います。 雌しべの状態は健全でしょうか。確認してください。 【Q11】 さくらんぼ栽培について、聞きたいことがあります。 剪定のやり方など知りたいのです。よろしければ、教えてください。  《武信さんより》 【A11】 ○剪定について せん定は、樹勢、樹形、通風、日当たり、作業効率等を考慮して行います。 さくらんぼは、2年枝(昨年伸びた枝)から着果しますので、今年伸びた新梢を切りながら 樹形をつくることになります。 また、古くなった枝を切りつめ更新していくことも必要ですが、どの程度に切るのかは 樹勢・樹形を見ながらの作業となり、そう簡単ではありません。 また、地域によって切る時期も大きく異なりますし、暖地ではせん定をすることによって 樹勢が著しく弱くなる恐れもあります。 (低温要求が強い果樹で、寒冷地ほど樹勢が強い、よく育つとされています。) さがえ西村山では、収穫の終わった夏8月頃か、芽が眠っている冬2月頃がせん定の時期に なっています。 【Q12】 さくらんぼを育てて2年になります。1年目は全部鳥に食べられてしまいました。 今年はと思い網で囲んだり、ビニールで屋根を作ったりして収穫もできました。でもすごく 小粒のさくらんぼでした。来年の為にいろいろと勉強をしています。 野菜なんかはよく間引きをするとよいものが取れるといいますが、さくらんぼも間引きを するのでしょうか?  《山梨県・小澤さんより》 【A12】 さくらんぼも実を大きくするために間引き(摘果)をします。 生理落果でどれくらいの実が落ちたかの具合を見て、まだ緑色の実のうちに摘果作業をします。 【Q13】 今年の5月ごろ近くの植木市で、1本からでも実がなる品種と言われ「桜桃」の苗木を購入しました。 植木鉢で育てたいので、大きな鉢に植え替えをしたいのですが、いつ頃がよく、どのような注意点 (根の周りの土を付けたままとか深く植えるとか)がありますか? それとも鉢植えでは無理なのでしょうか?今年は高温な日が続きなるべく日陰に移動しています。  《東京都・小林さんより》 【A13】 さくらんぼの植え替えは、落葉してから翌春に芽が動き出す前に行ないます。(11月〜3月頃) 元の鉢の土が健康であれば、土は付けたままの方が良いでしょう。なるべく根を切らないように 注意してください。 植える深さですが、苗木の接木部分(台木と接いである部分)が地表に出るように植えて下さい。 植え替える鉢の大きさですが、一般的には鉢の容量が大きいほど実止まりも良く、品質も良好になります。 鉢をどこに置いていますか? 室内・ベランダ・庭先など、置く場所によって、鉢の容量は決まってくると思われますが、可能であれば 大きめの8号〜9号ポット(直径24〜27cm)に植え替えてはいかがでしょうか。 鉢植えの場合は、土が乾きやすくなりますので、特に夏は朝晩の水やりをかかさず行なって下さい。 鉢が深ければ、日当たりの良い場所の方が良いでしょう。 尚、今年5月に苗を植えたばかりでしたら、通常ですと本格的な花芽着生までは4〜6年位かかります。 << 戻る <<雑草対策>> まあ、鉢植え中心でマルチをしっかりやっとけば鉢自体には雑草を気にすることはほとんど無いが 地下茎を持つヤブガラシやスギナは抜いても抜いてもきりが無い。 <<ブルーベリーの害虫対策>> コガネムシの幼虫は、ブルーベリーにつく害虫の中で最も怖いものです。地中で根を食害し気付くのが遅れると株が枯死してしまいます。 食害を受けた株では、成長期に新芽が展開しない、葉が全体的に黄色くなる(成長障害の項に示しているクロロシス様の症状ではなく、葉全体に色が薄くなる) 葉の日焼けが顕著に出るなどの症状が出ます。これを早期に発見し、食害の初期に対策を講じることが必要です。 対策には次のようなものがあります。 予防策: 害虫を寄せ付けない効果があると言われるニンニクエキス、木酢液、HB101、などを定期散布する、 コガネムシの幼虫が嫌うと言われるパーライトを用土に混入する、などの予防策があります。 このような予防策でコガネムシの食害を未然に防ぐのが最も良い方法ですが、どの方法も効果が確認できていないのが残念なところです。 植え替え: 株に上記のようなおかしな兆候が出たら、鉢植えの場合にはとりあえず鉢から抜いて根の状態を確認してみるのが良いです。 そこでコガネムシの幼虫を発見したら、できる限り古い用土を取り去り、植え替えてしまうのも一つの対策です。 ただし、この方法の難点は、極小さい幼虫を見落としてしまう可能性があること、また、弱っている根をさらに痛める懸念があることです。 殺虫剤散布: あまり農薬は使いたくないのですが、コガネムシの場合はそのまま放置すると枯死してしまうので、農薬散布も一つの選択かと思います。 使う農薬としては、ダイアジノン粒剤を土壌に混合する、カルホス乳剤、スミチオン、オルトランなど殺虫剤の溶液を土壌に染み込ませるという方法が有効のようです。 我が家では、ダイアジノン粒剤とカルホス乳剤(1000倍で使用)を試してみました。両者ともに効果はありますが、即効性があるという意味で後者の方が良さそうでした。 ダイアジノン粒剤はどちらかというと予防的に土壌混合するのに向いている気がします。なお、これら農薬を散布することでのブルーベリーへの影響ですが、 葉面に散布する殺虫剤と違って、各農薬指定どおりの希釈度を守れば特に問題はないようです。 葉面散布は、水が蒸発することで薬剤が濃くなるため、特に新芽での薬害が著しく出る場合があります。 しかし、土壌に浸透させるこれらの農薬では、土が緩衝材となること、また、日々の潅水で濃度が薄くなるため、問題は出難いようです。 レモンの育て方&剪定のコツ 1.特徴と性質 ・国産レモンは瀬戸内の一部の地域に見られる特産です。 ・四季咲き性で、5月〜6月、7月〜8月、9月〜10月の3回咲き、芳香と共に観賞できます。 2.栽培のポイント ・冬季マイナス3度以下に下がらない場所選びや防寒対策が必要です。 ・植えつけですが、苗木は寒さの去った3月〜4月に冬も暖かい陽だまりのような所を選んで植えつけます。 ・肥料は発芽前に春肥え、6月に夏肥え、9月に秋肥えとして乾燥鶏フンや油かす等の混合肥料を3回に分けて与えます。 ・整枝&剪定は、誘引などによって小柄な主幹形や半円形に仕立てます。 3.よい実をつけるコツ ・同じ木の中に春実、夏実、秋実と大小の実がみられ、一般には夏実、秋実は摘果します。 ・春実も多くついた枝は葉20枚〜30枚に1果をめやすに残し、多い実は摘みとります。 ・春花は花後約6ヶ月で収穫できます。 ・実の横径が5cmになった緑果から随時収穫しグリーンレモンで利用できます。 4.冬越し ・白い寒冷紗を2重にかける。 ・樹形を乱している強勢な枝は取り除き、枝を内側に寄せひもでしばります。 アセロラの栽培のポイント 生育適温が25〜30度の熱帯果樹です。昔、何も知らずに真冬に外に出したら枯れてしまった失敗があります。 皆様ご注意ください。最低気温は5度くらいまでです。15度以上を維持すると年に3回も収穫できます。 日当たりを好みます。よく日が当たり、水はけの良い土で育ててください。 植え付け、植え替えは3〜4月ごろが最適です。水はけを好みますので、砂けの土に少々腐葉土を混ぜたような土がいいです。 夏は良く水を欲しがるので、朝夕たっぷりと与えます。 15度を下回る季節になったら、水の与えすぎに注意して、土が乾いたらたっぷり与えます。 剪定は収穫後に込みすぎた枝を間引く程度と、徒長枝の切り戻しをします。 肥料は春、夏、秋に有機肥料を与えます。 自家結実生ですが、花粉は虫が運ぶので、屋内栽培など虫が少ない環境では、人工授粉をお勧めします。 <<キイチゴの木の育て方>> 品種の選び方 耐寒性ではラズベリーのほうが強く、ブラックベリーは少し劣ります。 逆にラズベリーは涼しいところが好きで、ブラックベリーは乾燥や暑さに強いです。 三重県のこのあたりでは、どちらも庭植えで育ちますが、北国ではラズベリー、南国ではブラックベリーのほうが育てやすいです。 1年生苗では植え付け1〜2年でなり始めます。 植え付け時期 3月が植え付け適期です。暖地では秋植えも良いです。 でも、10月〜梅雨入りまで大概植えても大丈夫です。 植え付け用土 結構やせ地でも育ちます。赤実ラズベリーは乾燥と高温に弱いので、水はけの良い、肥沃な土壌に植えてください。 日当たりを好みますが、半日陰でもよく育ちます。 剪定方法 ほとんど必要ありません。込み合う枝を秋に間引く程度です。(私の経験です。) でも、ほったらかしにしておくと、ボウボウになるので、仕立て方を書きます。 地下茎で増えるように地際からシュートやサッカーを伸ばすように生長します。1年目のシュートは6月頃に切り戻しをし、側枝を出させます。 細い枝は力がないので、間引くように取り除きます。12〜3月頃に側枝を1〜3節切り戻します。 収穫後に枯れこんだ枝は12月までに生え際から切り取ります。こうすることでボウボウにならずにコンパクトに維持できて、収穫量が増えます。 果実のつき方と上手な収穫方法 ブラックベリーは雨に当たると風味が落ちたり日持ちがしなくなります。 鉢植えでは雨よけをしたほうがいいです。雨よけができない場合は、雨上がりに収穫するといいです。 肥料 2月ごろと収穫後に速効性の化成肥料などを与えます。 また、11〜12月ごろに寒肥として牛糞や鶏糞、油粕など、有機質肥料を与えます。 2〜3年に1度のペースで石灰を与えます。 消毒 特に気になる病害虫はあまりでません。(私の経験です。) ラズベリーは梅雨時に灰色カビ病にかかることもあります。ブラックベリーはキウリやトマト、ペチュニアなどナス科の植物(野菜に多い)の近くで 栽培すると萎凋病にかかりやすくなります。ベンレート水和剤で予防します。 害虫ではマメコガネやコウモリガが出ることもあります。マメコガネは捕殺します。 コウモリガは下部の周囲を除草し、マルチングすることで予防できます。 <<ジューンベリー>> 特 徴 ザイフリボク属の植物は、早春には小さな白花が多数咲き、初夏には黒〜黒紫色の小さな球形の果実が実り、秋には美しい紅葉になるなど、四季の変化を楽しめる種類がたくさんあります。欧米では観賞樹や果樹として広く栽培されます。英名でジューンベリーというのはラエヴィス(A.laevis)ですが、他にラマルキー(A.lamarckii)、カナデンシス(A.canadensis)、オバリス(A.ovalis)、種間交雑種などもジュンベリーの名で出回ります。 管理方法 性質は強健。耐寒、耐暑性ともに強い。鉢植えも用意。半日陰でもよく育つ。水不足は嫌う。繁殖は種まき、挿し木など。 <<木いちご:ラズベリー インディアンサマー5号ポット>> 豊産種の木苺です。植えつけ後1,2年で収穫できます。ラズベリーは立ち性の品種で、庭植えまたは鉢植えがおすすめです。 自家結実性があるので、1本でも実をつけます。 インディアンサマーは二季なり性でたいへんおいしい品種です。 樹形は直立性なので、枝を誘引する必要がありません。 寒さに強く、樹勢も強くて育てやすい品種です。 学名:Rubus 'Indian Summer' タイプ:耐寒性落葉性果樹 植えつけ適期:10月〜4月末 (最適期は上記のとおりですが、ポット入りの苗ですので、真夏を除き年間を通して植え付け可能です) 収穫期:7月上旬〜8月上旬、9月中旬〜10月中旬 樹高:1〜1.5m 日照:日向むき 栽培方法: 土壌は特に選びません。よく繁殖するので、庭植えでは数年で広範囲に広がります。鉢植えは5〜6号鉢で十分です。 よく日のあたる場所を選びます。植え付け後、たっぷりと水を与えてください。夏は高温多湿になりすぎると生育不良となりますので、西日のあたらない場所を選んでください。 乾燥に弱いので、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水遣りします。 肥料は2月と収穫後に速効性化成肥料を与え、11月上旬に有機肥料を与えてください。2〜3年に1度石灰を与えると生育がよくなります。 植えつけてから1〜2年で開花結実します。実は株元からでるシュート(勢い良く伸びる新梢)に、翌年つきます。その年に伸びてきたシュートを6月頃に少し切り戻し、横枝を出させるようにすると収穫量が増えます。翌年、結実した枝はその年の秋に枯れますので、冬に根元から取り除きます。 果実は開花から1ヶ月程度で、果実に色がつき柔らかくなれば収穫できます。 果実の利用法 2〜3日はそのまま生食できますが、それ以上は冷凍保存かジャムに加工します。 お届けする苗は、5号(直径15cm)ポット入りです。 この品種はトゲがあるので、春〜秋はお届けする苗にトゲによる葉の傷みがあります。また、食用植物のため、薬剤はかけておりませんので、時期により葉に虫食い等がある場合もあります。 樹高につきましては、お届け時期により多少前後することがありますのでご了承くださいませ。 ラズベリーは果実に雨があたると腐りやすい。